OSAKA HERO PROJECT

PARTNER:大阪市

『風船が木に引っ掛かって泣いている小さな子供』『買い物袋からこぼれ、坂道を転がるオレンジ』。そんな“どこかで見たことがあるけど、実際には見たことがないシーン”を集めた動画が、予想を上回る勢いで再生数を伸ばしている。ベタなシチュエーションを関西らしいユーモアで表現したクリエーティブが光るプロモーション。大阪市が実施する市民のスポーツ実施率向上をめざすキャンペーンの一環である。
動画サイトで公開されたこの作品は、社内のクリエーターたちによる「面白いものを作ってやろう」という気持ちが、周囲を巻き込み、大きな反響へとつながっていったのだった。

MEMBER

本気でふざけて、
トコトン面白くしないと、
心を動かすクリエーティブは
生まれない

たまたま見つけたプロポーザルから
スタートしたプロジェクト

「事の発端は、大阪市が実施するプロポーザル(委託先を選定するための企画提案の募集)をたまたま見つけたこと。面白そうだからやってみようという気持ちでした」(竹村)

一般的にJコミでは、営業がクライアントから依頼を受けて、プロモーションしたい商品・サービスに応じた企画を提案することから、1つのプロジェクトがスタートする。一方、今回の『OSAKA HERO PROJECT』はマーケティングを担当する竹村が偶然見つけたプロポーザルからスタートした。

“何かおもしろそうなことができそう”という予感を胸に、竹村が声をかけたのは、プロモーションを担当する藤野であった。プロポーザルの概要は、大阪市民のスポーツ実施率を2021年度までに65%にする『スポーツ・スタートアップ事業』。行政が実施する極めて公共性の高い事業である。

「大阪市が公示していた仕様は、イベントによるプロモーションでした。でも、イベントを実施しても、集客できるのは1日で数千人程度。であれば、動画を使ったプロモーションのほうが効果は大きいと思って、動画をベースに企画を提案してみることになりました」(藤野)

こうして“社内発”のプロジェクトが動き出した。

日常の運動を
ヒーローで表現できないか

「動画のコンセプトは、毎日の生活の“いつもの動作”に、一手間加えることでスポーツに変わるというもの」(竹村)

人が考えたのが、“どこかで見たことあるけど、実際には見たことないシーン”を使ってコミカルに仕立てる動画であった。

「風船をジャンプでキャッチするとか、坂道を転がるオレンジって、どこかで見たことがあるけど、実際には見たことがありませんよね。そういうシーンを集めて動画にしたらおもしろいんじゃないか、ということでクリエーティブを巻き込んで企画を練っていきました」(藤野)

相談を受けたクリエーティブ担当の田中は「企画を聞いても、最初は何のプロポーザルか全く分からなかった」と言う。大阪市のプロポーザルという公共性の高さと、竹村と藤野が言うユーモアある企画が、すぐには頭の中で結びつかなかったのも無理はない。

それでも、企画を形にするため田中が考案したのが、5人の老若男女がヒーロー映画の主人公のように、困っている人を助けるというコンセプトムービー。

「プロポーザルに勝つというより、単に2人に面白いと思わせたくて考えました」(田中)

さらに田中が考えたのが、普段の運動で体を鍛える『ちょこっとエクササイズ365』というコンテンツ。人を見送る際に思いっきりジャンプして手を振る『ジャンピング倍(バイ!)』など、コミカルな30種類以上ものアクションを考えた。

「おもしろければいい」は、
クリエーティブを考える立派な理由

「本当にそのアクションで体が鍛えられるのか、大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターに監修をお願いしました。忙しい合間にご協力いただいた先生方には、本当に感謝しています」(田中)

あくまでもまじめに、妥協のないおもしろさを追求した結果、コンペでは「過去にない斬新な企画」という評価を受け、プロジェクトの受注に至った。さらに、『OSAKA HERO PROJECT』の認知拡大を目的としたPRイベントを大阪駅で実施するなど、キャンペーンはどんどん広がりを見せていった。

社内のクリエーターたちが、コンテンツ先行で進めてきた今回のプロジェクト。まさにおもしろさを追求したメンバーたちの気持ちの表れと言えるだろう。実に珍しい事例である。

だが、優れたクリエーティブが生まれる時、前例や常識は大きな意味を持たない。自分たち自身が広告を作る楽しさを味わうことが、大きな成果につながることを証明したメンバーたち。彼らのように広告を作る気持ちがあれば、いつでも・どんな形からでも、クリエーティブを生み出せるのである。

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