観光キャンペーン
山口観光CP
PARTNER:山口県
某テレビ番組で話題となった、長州力さんによる「飛ぶぞ!」というセリフが印象的なTVCMがSNS上で大いに盛り上がった山口県観光キャンペーン。本案件は山口県のプロポーザル案件※と呼ばれる競合他社とのコンペであった。どのようにして、コロナ禍という誰も経験をしたことのない状況下において、本社と支店が力を合せて挑み、案件獲得をすることができたのか、その裏側に迫る。
※プロポーザル案件:委託先を選定するための企画提案の募集案件
MEMBER
T.IMAI
営業本部 ソリューションセンター
インタラクティブコミュニケーション部
2019年 JR西日本よりJコミへ出向
JR西日本および一般クライアント向けにWebサイト制作や各種インターネット広告関係の業務を担当しています。このプロジェクトでは、動画を活用したインターネット広告の企画・提案と出稿を行いました。
M.TAMURA
営業本部 ソリューションセンター
クリエーティブ部
2011年入社
JR西日本及びグループ会社、自治体、一般企業のクリエーティブ全般を担当しています。このプロジェクトでは、CMやWEB動画の企画をする「CMプランナー」と、ビジュアルのディレクションをする「アートディレクター」を担当しました。
A.YOSHIDA
営業本部 マスメディア部
2000年入社
主にテレビ媒体の担当をしています。このプロジェクトでは、テレビCMやパブリシティの放送に関わる、テレビ局との交渉やプランニングに携わりました。
Y.SASAKI
営業本部 ソリューションセンター
コミュニケーション・プランニング部
2009年入社
JR西日本、自治体、インバウンド、一般企業のお仕事を担当しています。
リサーチの設計、ワークショップの企画・運営、コミュニケーションの戦略策定、自社プロジェクトの移動者研究など、幅広い業務に携わっています。このプロジェクトでは、市場環境分析から戦略策定までを担当しました。
O.HAMAYASU
中国支店
2006年入社
行政関係、特に山口県の営業担当として、観光関係のプロモーションを主に担当しています。このプロジェクトでは、営業担当として山口県担当窓口との企画選定・実施スケジュール調整の仕事をしておりました。
コロナ禍だからこそ、
支店と本社は
向き合った。
「どんな状況においても
前向きに」
「今となってはスタンダードなテレビ会議も、最初は適応するのに戸惑うことも多かったです」(浜安)
一般的にJコミでは、支店から本社へ頻繁に行って、顔を突き合わせた打合せを重ねることで企画書の精度をあげている。だが、コロナ禍において新しい生活様式に変化していったことによって、この案件では電話・メール・リモートという非対面でのやり取りを駆使して精度を上げていくこととなった。
「非対面であるからこそ、ヒアリングした内容をしっかりと伝えることを、より意識しました」(浜安)
また、「テレワークが増えたことによって、企画書と向き合える時間が増えたことや、細かな調整にも対応ができた」と予想外の良い面もあったと佐々木は言う。新しい生活様式においても、本社と支店が臨機応変に対応することで企画作りが始まった。
「コロナ禍における
未来を予測し、戦略を立てる」
企画を立てていく上で、コロナ禍という先の見通せない中で戦略の方向性を打ち立てていかなければならなかった。
「Withコロナでのコミュニケーション戦略について未来予測するのがとても大変でした。どのターゲットが動くのか、何を求めているのか、何に乗って移動するのか、様々な文献を読み漁ってロジックを立てました」(佐々木)
マーケティング担当の佐々木が打ち出した方向性に対して具体的施策を考える上で、クリエーティブを担当する田村は、タレントの長州力さんを起用しようと考えた。
「長州力さんはフォトジェニックな方。しかし、山口県=長州力さんという発想は他社も出してくると予測し、『パワフルエンサー』という新しい肩書きを作ることによって差別化しようと考えました」(田村)
導き出した様々な仮説から、多角的に物事を見ることで新たな魅力を発見し、形にしていった。また、今回はアウトプットの仕方にも工夫を施している。
「CM放送地域の方に馴染みのある情報番組でキャンペーンを取り上げてもらうための施策や、他社とは一線を画すCMの放送方法を模索しました」(吉田)
そんな、CMのインパクトをより強く見せるための手法は、Jコミ唯一の提案だったといえるだろう。
「あらゆる状況を予想し、
柔軟な対応力がカギ」
「今回のコンペは、プレゼンがなく企画書のみでの実施だったため、細部まで丁寧に作成して熱量を伝えなくてはと思いました」(佐々木)
妥協をせず、こだわり抜いた結果、コンペでは高評価を受け、キャンペーンの受注につながった。受注後苦労したことについて聞くと、「万が一、出演者が感染した場合や第2波が来た場合などあらゆる想定をして、様々なバリエーションの制作に苦労しました」と田村は振り返る。
一方WEB担当の今井は、「柔軟に対応できるのがWEBの良さですが、コロナの状況によって、配信エリアがなかなか決めることができず、大変でした。」と語る。これまでに前例や常識が通じないコロナ禍において、あらゆる状況を予想し、苦労をしながらも柔軟に適応していったことが今回の勝因であったといえるだろう。本社と支店との細やかな連携は、これから先の見えない状況においても、良いものを生み出せるのである。