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Jコミ MARKETING LABO

“生活者”と“鉄道”にフォーカスした
Jコミ独自の研究レポートをお届けします。

<研究テーマ> 移動者研究・リアル行動編 「梅田来街者の動きを捉える」(大阪梅田 人流分析)

通勤で移動中の生活者の心理に焦点をあてた第1フェーズの「移動者インサイト」に続く移動者研究の第2フェーズとして、大阪梅田の来街者を対象とした「移動者研究・リアル行動編」に着手し、その第一歩として、スマートフォンの位置情報データをもとに大阪梅田エリアの人の動きや主な施設の利用実態を分析しました。具体的には、梅田エリアを8つのブロックに分け、各ブロック内の鉄道駅と主要商業施設を特定した上で、各々のブロックや施設をどれくらいの人が利用しているのか、また各ブロック・各駅・各施設の利用者がどのように動いているのか、更にはどのブロック間、施設間がよく行き来され併用されているのかといったことを探ってみました。このように特定のエリア内での人の実際の動きを捉えることで、例えば各々の駅では利用者にどのような情報を提供すべきか、どのブロックや施設の情報を組み合わせて提供すべきなのか、ある施設に誘導するための情報拠点はどのように設計すべきかといった、来街者に対する効果的な情報提供の方策を考えることが本研究の狙いです。

ー研究レポートの一部、ご紹介ー
JコミMARKETING NEWS Vol.24(2021.3)<SUMMARY>

シリーズ1 移動する生活者を知る(移動者研究 ・リアル行動編) 梅田来街者の動きを捉える ~大阪梅田 人流データ分析~

Jコミ マーケティングニュースで過去数回にわたってご紹介してきました「移動者研究」の続編として、今回はスマートフォンの位置情報データによって捉えた大阪梅田の来街者の動きをレポートします。梅田を8つのブロックに分け、各々のブロックにはどれくらいの人が来てどのように移動しているのか、また各駅や各商業施設をどれくらいの人が利用しどのような動きをしているのかといったことを捉えることが今回の分析のテーマです。

ブロック別利用率とブロック利用者の動向

梅田を8つのブロック(JR大阪駅、JR大阪駅北、JR大阪駅南、阪急梅田駅、茶屋町、お初天神、西梅田、北新地・堂島の各ブロック)に分け、各々のブロックの利用率を見たところ、梅田来街者(休日)の約3割が「阪急梅田駅ブロック」を利用し、各々2割前後の人が「お初天神ブロック」、「JR大阪駅北ブロック」、「JR大阪駅ブロック」を利用していることがわかりました。そして各ブロック内の滞留時間は例えば「阪急梅田駅ブロック」で87分、「JR大阪駅ブロック」で78分、「お初天神ブロック」で110分と、夜間の飲食利用が多いブロックの滞在時間が長いことがわかりました。またブロック間の移動を見ると、例えば「JR大阪駅ブロック」を利用している人の37%が他のブロックも併せて利用し、その他のブロックでも概ね3割前後の人が他のブロックも併用しているという実態が見られました。

駅別利用率、施設別利用率(休日)

梅田エリアには計7つの鉄道駅がありますが、その中で例えば「JR大阪駅」の利用者は梅田来街者全体の約3分の1で「阪急大阪梅田駅」と「大阪メトロ(御堂筋線)梅田駅」を合わせると約7割になることがわかりました。そして「JR大阪駅」の利用者の30.4%の人が「阪急梅田駅ブロック」、24.2%の人が「JR大阪駅ブロック」を利用しています。また主な商業施設の利用率を見ると、例えば、梅田来街者全体の9.5%、「JR大阪駅ブロック」の利用者の55.9%が「ルクア大阪」を利用していることなどがわかりました。さらに「ルクア大阪」の利用者の6.3%が「大丸梅田店」も利用し、「大丸梅田店」の利用者の10.7%が「ルクア大阪」も利用している実態なども捉えられました。その他の各施設間の相互利用状況や滞留時間なども捉えられ、そういったデータから梅田来街者の買い回りの実態が見えてきました。

【データ概要】
ポイント型流動人口データ(株式会社Agoop提供)分析対象は2019年11~12月の梅田来街者データ
ブロック利用者 各ブロックに30分以上滞在した人
駅利用者 各駅を利用して電車に乗り降りした人
施設利用者 各商業施設に15分以上滞在した人

※時間帯:10時台~21時台に滞在を開始したものを抽出。
10時台~17時台に滞在開始を「日中利用」、18時台~21時台に滞在開始を「夜間利用」とする。
※エリア内に居住又は勤務する人などは調査対象から除外。
連続4時間以上の滞在 および 勤務/就学地または居住地での連続3時間以上の滞在を除く。

シリーズ2 鉄道沿線の魅力を探る(京阪神鉄道沿線研究) 居住意向者の姿を探る ~沿線居住意向者 属性分析レポート~

前々回は「生活者視点で捉えた鉄道沿線の特性」、前回は「鉄道沿線の魅力を高めるイメージ因子」のテーマでレポートをお届けしましたが、今回は「居住意向者の姿を探る」として各沿線の「居住意向者」に焦点をあてその姿を探ってみました。京阪神の鉄道沿線はいくつかのタイプに分かれ、どのタイプの沿線に“住みたい”と思うかは人によって異なり、従って沿線ごとに異なるターゲット像を捉えることが必要です。

イメージ総量と居住意向

アンケート調査で聴取した沿線に対する各イメージの回答率を足しあげた「イメージ総量」と「居住意向」との関係を探ってみると、イメージ総量のスコアが高いほど居住意向が高い傾向があることがわかりました。例えばイメージ総量と居住意向がともに最も高い沿線はJR神戸線①(大阪駅~神戸駅)沿線ですが、この沿線は「利便性」だけではなく「娯楽性」、「観光」など、様々なイメージが想起できる沿線でありパーソナリティイメージも鮮明であることから「住みたい」と思う生活者が多いようです。そしてイメージ総量と居住意向との関係を性別でみると、女性よりも男性の方が沿線に対して想起されるイメージの豊富さが住みたいという意向につながりやすく、また年代別では新しい生活を始めるライフステージにある「30代」でその関係性が最も強いことがわかりました。

沿線別居住意向者の属性

梅田エリアには計7つの鉄道駅がありますが、その中で例えば「JR大阪駅」の利用者は梅田来街者全体の約3分の1で「阪急大阪梅田駅」と「大阪メトロ(御堂筋線)梅田駅」を合わせると約7割になることがわかりました。そして「JR大阪駅」の利用者の30.4%の人が「阪急梅田駅ブロック」、24.2%の人が「JR大阪駅ブロック」を利用しています。また主な商業施設の利用率を見ると、例えば、梅田来街者全体の9.5%、「JR大阪駅ブロック」の利用者の55.9%が「ルクア大阪」を利用していることなどがわかりました。さらに「ルクア大阪」の利用者の6.3%が「大丸梅田店」も利用し、「大丸梅田店」の利用者の10.7%が「ルクア大阪」も利用している実態なども捉えられました。その他の各施設間の相互利用状況や滞留時間なども捉えられ、そういったデータから梅田来街者の買い回りの実態が見えてきました。

【調査概要】
京阪神鉄道沿線イメージ調査2019(webアンケート、1080サンプル)
対象時期 2019年9月~10月
調査対象者 近畿2府4県在住の20~74歳男女
対象路線 京阪神30路線(JR15、大阪メトロ5、阪急・近鉄各3、南海2、阪神・京阪各1)
設問内容 住環境・利便性・観光などに関するバリューイメージ、
洗練・活気・素朴などのパーソナリティイメージ、
各沿線への居住意向・お出かけ意向・好意的意識