PROJECT #03

コンテンツビジネス

アニメコンテンツに
よる地方観光の創生

PARTNER:映画「神在月のこども」製作御縁会、
出雲市

12歳の少女が東京から出雲へ向けて走り、成長していく姿を描いたアニメ映画「神在月(かみありづき)のこども」。製作委員会として参画した Jコミは広告・広報PR全般を担当。また並行するかたちで、島根県出雲市の観光PRにも携わることになるなど、アニメコンテンツによる地域創生事業で得られたものとは。

MEMBER

Y.FUJIMOTO

ソーシャル&コンテンツビジネス局

2013年入社

映画「神在月のこども」への出資を決めたプロジェクトのキーマン。映画製作委員会の一員として、広報・宣伝関係のメディア発注などを担当。また出雲市の観光プロポーザルにおいては、映画を活用した企画立案を行い、受注後は全体管理の業務を担当した。

T.YASUDA

ソーシャル&コンテンツビジネス局

2015年入社

出雲市と映画製作委員会の窓口として、映画コンテンツを活用した観光PRの全体統括を担当。活用の一例として実施されたゲームアプリ「プラチナトレイン」のコラボイベントでは、出雲市と協力しながらスポット選定などを行った。

M.ISHII

クリエーティブ局 ICR部

2013年入社

プロポーザル用の企画策定のタイミングからプロジェクトに参加し、出雲市の観光PRと「神在月の子ども」をどのようにつなげるかというコンセプト設計を行う。受注後はバナーやムービー、ランディングページなどの制作物の企画、ディレクションを担当。

H.AKITOMO

クリエーティブ局 ICR部

2011年入社

2021年に新設されたICR部で、プロモーションの企画、制作運営ならびに広告媒体の運用を担当。今回のプロジェクトには、出雲市のプロポーザル用の企画策定のタイミングで参加。もともとWeb畑出身であり、そこでの経験を活かしたプランを発案した。

K.MIZUTANI

クリエーティブ局 ICR部

2017年入社

石井、秋友と共に出雲市のプロポーザル用の企画策定からプロジェクトに参加。受注後はWeb担当として観光PR用のランディングページの制作や、インターネット広告のプランニング、キャンペーンの運用などを担当。

アニメ映画×観光プロモーションに見たコンテンツビジネスの新しい可能性

映画の魅力とプロポーザルとの親和性に惹かれて

Jコミが、映画「神在月のこども」へ参画したのは、同作の統括プロデューサーによる企画の持ち込みがきっかけだった。ソーシャル&コンテンツビジネス局の部長として対応した藤本は、出資の理由をこう振り返る。

「3つポイントがあって、Jコミにとってまだ実績のなかったアニメーション映画の企画だったこと。原作者や関係者の作品への想いや目的に共感したこと。そして、出雲大社や、神在月といった西日本の地域や歴史をテーマにしていたことでした」(藤本)

Jコミはこれまでにも様々な映画に関わってきた。そのスタイルは劇場でヒットさせるだけでなく、“映画を通じて観光創生や社会的課題を広く長く知ってもらうこと”を目的としてきた。「神在月のこども」はそんなJコミの映画ビジネスと非常に親和性が高かったといえる。また、時を同じく、公募中だった出雲市の観光PRのプロポーザルとタイミングが重なったことも大きなきっかけに。

「出雲市の観光の課題を調査し、若年層やファミリー層に興味を抱いてもらう必要性を感じていました。なので、このアニメ映画を活用することで、今まで届かなかったターゲットに興味を抱いてもらおうと思ったんです」(藤本)

公開前の映画を使った観光PRの難しさに悪戦苦闘

出雲市の観光プロポーザルへの挑戦を決めた藤本は、プレゼン企画の内容を石井、秋友、水谷のクリエイター陣に託す。しかし、コンセプト設計の段階で最初の困難を迎えることに。

「出雲市の抱える観光課題・ターゲットに対してアニメ映画と映画のコンセプトが効果的であるという柱は間違いないと我々も思いました。
ただ、求められる観光PRの展開時期が映画公開と同時期であったため映画はまだ制作中であり我々にも情報が絞られていたため、どのように映画を使って出雲市のPRを図るべきか表現の部分でとても悩みました。話しあいもたくさんして、秋友さんとはかなり揉めましたね(笑)」(石井)

「映画が一番の武器になるはずなのに、効果的な活かし方が見えなかったんです。とはいえ、何かしらの方向性を示さないと企画が前に進まない。クリエーターもひとりひとり価値観が違うから、意見の食い違いは必然でしたね(笑)」(秋友)

どちらも自分の意見が正しいと信じているからこそ起こった衝突。しかし「本気でぶつかり合ったからこそ、結果的に良いものができた」と二人は振り返る。実際、プレゼン企画はより洗練されたものとなり、出雲市側も複数社あった候補からJコミを採択。掴み取った勝利の喜びに浸るのも束の間、実際のコンテンツの制作過程でも新たな困難が待ち受けていた。

「このシーンなら観光コンテンツにも使えそうだなってラフを描いても、映画の制作サイドから“ネタバレになるので控えてほしい”って指摘が入ることもありました。映画で隠さないといけない要素を意識しながら、観光PRのコンテンツを作るのは想定していた以上に大変でした」(水谷)


コンテンツビジネスの可能性を今後に活かしていく

2021年10月「神在月のこども」がついに公開。映画製作委員会の一員として、映画の広報・宣伝関係の業務に注力した藤本。彼の下で、出雲市と製作委員会の窓口として観光PRの全体統括を行った安田。映画の公開に合わせてWebコンテンツを作り変えていった石井、秋友、水谷。メンバーひとりひとりの尽力もあって、プロジェクトは成功したと言える。しかしこれで終わりではない。むしろプロジェクトはこれからが本番なのだ。

「長期的なビジョンを視野に、いま現在もさまざまな活用施策に取り組んでいるところです。最近だとJコミが手がける「プラチナ・トレイン」というゲームアプリでコラボイベントを実施しました。映画の聖地巡礼を促すGPSを使ったスタンプラリーで、鉄道ファンを中心に多くの方に出雲市を訪れていただけました」(安田)

これ以外にも、神在月(出雲地方で10月のこと)にちなみ、毎年10月に出雲市と連携して実施するイベントや、劇中に登場する神社とのコラボイベント、歴史に興味を持っている小学生向けの上映イベントなど、様々な企画が同時進行で動いているという。

今後も深くプロジェクトに関わり続けるメンバーたちに、今回得たものを聞いた。

「IPと観光という、異なる位置づけのコンテンツがきれいに重なった、すごく良い事例だと思います。今後Jコミが目指すコンテンツビジネスの一つの指針になりました。」(藤本)

「従来の王道のプロモーションとは違う角度から観光PRを行ったことで、コンテンツビジネスの可能性を感じました。今はコロナ禍の影響から全国的に元気がないかもしれませんが、今回得た新しい切り口を使って、私たちにお手伝いできることが増えればいいなと思います」(秋友)

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